成長期に運動のススメ。子どもの成長に効果的な運動とは?

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日々、成長していく子どもたち。その成長のスピードはいつも一定ではなく、変化があるのをご存じですか?大きく成長するピークに合わせて運動や食事を適切なものにすれば、さらに健康的に成長するサポートができるかもしれません。

神経回路は5歳までに80%が完成する

「スキャモンの発達・発育曲線」は、人間の身長や臓器、神経の成長に伴う発育状況をグラフで表したものです。これによると、知的能力や運動能力をつかさどる神経回路は、生まれてから早い時期に大人と変わらないくらいまで成長するとされています。20歳時点での神経回路を100%とした場合、神経系の発達は5歳頃までに約80%、12歳までにほぼ100%となるというデータも。

特に12歳になる直前の数年間は 神経系の発達が著しく、様々な神経回路が形成するといわれています。 この時期に獲得した運動能力を、中学校・高等学校でさらに伸ばすことで、生涯にわたって活動的で健康的な人生につなげられるかもしれません。

また、自転車にいったん乗れるようになれば久しぶりに乗っても乗ることができる、という経験をしたことがありませんか?このように、神経回路は一度出来上がるとなかなか消えることはありません。

身長が伸びる時期は運動に最も適した時期

さらにスキャモン曲線によると、子ども時代には身長や体重が急激に伸びる時期が2度訪れるということです。生まれてから4歳くらいまでの乳幼児期、11~13歳頃の思春期です。
この時期を見逃さず、運動はもちろん、食事・睡眠などを適切に行い、生涯にわたる丈夫な身体の基本を形成したいものです。

この時期に運動することで、筋肉や骨の成長という身体づくりだけでなく、精神面での効果も期待できるでしょう。他者に対する配慮やコミュニケーション能力、礼儀、チャレンジ精神、競争心など、生涯にわたって有用な能力を身につける格好の機会といえるかもしれません。

どんな運動が効果的?

様々な身体の動きを知るために、一つのスポーツを行うのではなく、様々なスポーツにチャレンジしてみるのがおすすめ。この時期に覚えた身体の動きは、特定のスポーツの能力を伸ばすときにも有効でしょう。ある有名な力士が、小学生の頃はサッカーと水泳をしていたというエピソードもあります。

ただ、運動能力の開発だけに着目しているとついつい熱が入ってしまうかもしれませんが、子どもは身体能力がまだ低く、注意力不足もあるため怪我のリスクが常にあります。
擦り傷や打撲などの怪我はある程度仕方がありませんが、大きな怪我をしないように大人が注意してあげることも大切です。また、過剰なトレーニングは、膝や腰などに障害の原因となってしまいます。
その運動が本人の体力に合ったものなのか、周りの大人が注意をして見守ってあげましょう。

また、寝る前に激しい運動をすることで睡眠を促すメラトニンというホルモンが分泌されず身体や脳が活動モードになり、体温・心拍・血圧などが上昇してしまいます。
そのため、入眠までに時間がかかったり、夜中に目が覚めるなど、睡眠の質が低下してしまいます。良質な睡眠は成長には欠かせません。
寝る前の激しい運動を避ける、子どもが寝る時間に影響しないように遅くまで運動しないなど、時間管理を大人が協力してあげましょう。

気を付けたいのは骨折などの怪我

特に気をつけたいのが骨折やひびなどの骨の怪我です。動きが活発になる小学校高学年頃から、こういった大きな怪我増え始めますが、一度骨折すると数ヶ月にわたってスポーツを中断したり、成長期に骨に障害を受けると、骨が変形したり、成長を妨げられる恐れもあるため、普段から予防に努めるようにしましょう。

まず、骨の怪我をなくすためには、普段の食生活でカルシウムを摂取するよう心掛け、骨を強くしていくことが大切です。牛乳・チーズ・ヨーグルトなどの乳製品や大豆、小魚などカルシウム豊富な食材を積極的に、普段の食事に取り入れるようにしてみましょう。

また、朝食を抜くなどのエネルギー不足は、疲労骨折などの原因にもなります。「早寝早起き朝ごはん」を実行し、規則正しい生活と三食をしっかり食べることで、自分の力を最大限に発揮できるようにしたいですね。

参考文献
骨粗鬆症の予防のための食生活 | e-ヘルスネット(厚生労働省)
発育・加齢と身体活動量 | e-ヘルスネット(厚生労働省)
成長と運動の深い話

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文責:良友 杏(よしとも あん)

文責:良友 杏(よしとも あん)

薬剤師。 薬局勤務などを経て、現在は子育てをしながら、健康や美容に関する記事の執筆を中心に活動。多くの情報が溢れる中、読者が古い情報や偏った情報に不安にならないよう、常日頃からメディアなどにアンテナを張って、自分の知識の更新に努めている。

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