朝の忙しい時間帯に、子どもがなかなか起きようとしない、学校を休もうとする…そんな日が続くと、親はついイライラしてしまったり、心配にもなりますよね。
そして、朝起きられないのは、夜更かしのせいや怠けているからと感じるかもしれません。
では、改善のために親は何ができるでしょうか。他の原因も踏まえて考えてみましょう。
朝起きられない原因はなに?
朝起きられない主な原因として考えられるのは、次の2つです。
原因①睡眠が足りていない
子どもが朝起きられない原因は、その子に必要な睡眠が足りていないからかもしれません。授業中にも寝てしまう、日中にあくびが多い、やる気や気力が落ちている場合は、睡眠不足が疑われます。
また、睡眠リズムの乱れも無視できません。人間は24時間で生活が回ります。けれど、身体のなかに組み込まれている体内時計は25時間周期です。1時間のずれがあるため、毎朝、朝日を浴びることで体内時計を調整していると考えられています。
ところが、寝る直前までスマートフォンやパソコン、ゲーム機の画面から光の刺激を受けていると、体内時計が遅れてしまうのです。寝付きにくくなり就寝時間が後ろにずれるため、朝起きられなくなります。
原因②睡眠の質の低下
ぐっすり眠れていないと、すっきり起きられません。
睡眠の質を低下させる要因がないかをチェックしましょう。部屋の暗さや温度・湿度といった、室内環境を整えることは大切です。
また、アトピー性皮膚炎の痒みや、睡眠時無呼吸症候群などによって睡眠の質が低下していることもあります。睡眠時無呼吸症候群は大人だけの病気ではありません。眠っているときに呼吸が一時的に止まってしまうので、息をしようと何度も目が覚めてしまい、眠りが浅くなります。大きないびきを繰り返すなどの様子が見られるなら、病院で相談したほうが良いでしょう。
睡眠不足だとどんな影響がある?
日本の子どもは、世界的に見ても最も夜更かしをしているといわれています。
子どもの睡眠不足はどのような影響があるのか、気になるところですね。
睡眠不足が続くと、肥満や生活習慣病、うつ病などの発症率を高める危険性があります。
また、脳が十分に休めないので思考力が低下し、勉強の効率も低下します。授業に集中できず、ついていけなくなることも。
情緒も不安定になり、睡眠不足が不登校のきっかけになることも珍しくありません。
睡眠不足が与える影響はとても大きいのです。
親ができるサポートは?
では、子どもが朝起きられるように、睡眠不足にならないように、親は何ができるでしょうか。
① 早く寝かせるよりも早起きさせる
朝起きられるように早く寝かせようと考えますが、まずは早起きさせることを意識しましょう。
早起きをして朝日を浴びると体内時計が整います。体内時計を味方につけることから始めましょう。
必要な睡眠時間には個人差がありますが、小学生で9~12時間、中学生で8.5時間が目安のひとつです。
小学生の睡眠時間に開きがあるのは、1年生と6年生では発育に差があるからです。
起床時間から逆算して就寝時間を決めると良いですね。
② 適度な運動を促す
適度な運動は、入眠の促進に効果があり、中途覚醒を減らすともいわれています。
習慣的に続けることが大切なので、軽いランニングや早足の散歩など、負担が少なく長続きする有酸素運動がおすすめです。
また運動をする時間帯は、就寝直前ではなく、夕方から就寝の3時間くらい前のタイミングが効果的だといわれています。
③ 就寝の直前に食事をしない
就寝に近い時間に食事をすると、消化活動が睡眠を妨げてしまいます。食べ物の消化にはおよそ2~3時間かかるので、就寝の3時間前には食事を済ませておくのが理想です。
④ 就寝の2~3時間前に入浴を済ませる
入浴で身体を温めてすぐに就寝すれば良いように思われがちですが、実は体温が下がってくるタイミングでベッドに入るのがベスト。就寝の2~3時間前に入浴を済ませるよう調節しましょう。
朝起きられない原因は他にもある?
睡眠不足を解消し、生活リズムを整えても朝起きられない、午前中調子が悪いということもあるかもしれません。
そのような場合は、本人の甘えではなく「起立性調節障害」の可能性も考えられます。立ちくらみや疲れやすい、長時間立っていられないなど、気になる症状がある場合は小児科医に相談しましょう。
まとめ
「朝起きられない」をなくすには、本人の努力はもちろん、親のサポートも必要です。食事や入浴の時間は、本人だけでは決められないからです。
親も生活リズムを意識して、家族みんながすっきりと起きられるようになると良いですね。
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