「体温を測ってみたら思っていたより低かった」「体調不良が続くので熱がないか測ってみたら逆に低かった」そんな経験はありませんか?
熱が出るのも心配ですが、体温が低いのも実は問題あり。そのだるさや疲れやすさは、低体温が原因かもしれません。なぜ低体温になるのか、その原因と改善方法を知っておきましょう。
低体温とは?何度からが低体温?
低体温とは、深部体温(脳や内蔵など身体内部の温度)が低い状態をあらわします。体温には個人差があるため、低体温に明確な定義はありません。しかし一般的には、体温計で測って35℃台であれば低体温といわれています。
似た言葉に「冷え性」があり、こちらの方が聞く機会は多いかもしれません。低体温と冷え性は混同しがちですが、似ているようで大きく違います。
冷え性は「寒くない温度なのに手足が冷える」「布団の中でも手足が冷える」などの自覚症状のことです。手足が冷たくなっていても、体温計で測ってみると体温は正常なことが多くあります。
一方で低体温は、自覚症状はなくても深部体温が低い状態です。
低体温だとどんな影響がある?
低体温だと免疫力が低下してしまうため、病気になりやすいといわれています。風邪などの感染症にかかりやすくなったり、疲れやすくなったり。内臓が冷えることで消化不良や食欲不振、体力の低下も起こります。自律神経が乱れてしまい、血行不良になると冷え性の症状を感じることもあるかもしれません。
さまざまな不調を引き起こすため、改善に向けて適切に対処しましょう。
知っておきたい低体温の原因
低体温を改善するために、まずは原因を知っておきましょう。
低体温は以下のようにさまざまな要因で引き起こされます。
基礎代謝の低下
加齢や運動不足などにより筋肉量が減ると、基礎代謝が低下します。すると十分な熱をつくり出せなくなり低体温を引き起こすことがあります。
ストレス
強いストレスから自律神経が乱れてしまい、体温調節機能の働きが鈍くなることもあります。
甲状腺ホルモンの減少
甲状腺ホルモンは身体の新陳代謝を促し、熱を生む働きがあるのですが、甲状腺ホルモンが減少するとこの働きが弱まり体温が下がります。
長時間の低温環境
暑さによる熱中症を心配されることは多いですが、寒さにも注意が必要です。低温に長時間さらされる環境は身体の機能を保てなくなり、命に関わります。低体温症による凍死は、雪山での遭難事故や水難事故など特殊な環境だけでなく、室内でも多く発生しています。
低体温を改善する3つのポイント
毎日を楽しく過ごすには、病気になりにくく疲れにくい身体でいることが大切ですね。
免疫力を下げないためにも、低体温を改善しましょう。
ポイントは、運動と食事、そして衣服です。
運動
低体温の原因にあったように、加齢や運動不足により筋肉量が減少すると基礎代謝が低下してしまいます。十分な熱をつくり出せるよう、運動習慣を身に付けて筋力を維持しましょう。
食事
身体を温める食材を意識して摂りましょう。土の中にできる野菜は、身体を温める作用があるといわれています。根菜類や生姜などを使ったスープや味噌汁、ジンジャーティーなどもおすすめです。逆に、きゅうりやなす、ゴーヤなどの夏野菜、コーヒーは身体を冷やすので注意しましょう。
また、善玉菌が多い腸内環境に整うと免疫力もアップします。腸活にも力を入れてみましょう。善玉菌の割合を増やすには、ヨーグルトや乳酸菌飲料、漬物などに含まれるプロバイオティクスを摂取すると効果的。プロバイオティクスとは健康に有益な善玉菌のことで、FAO/WHOでは「適正な量を摂取した際に宿主の健康に有益な効果をもたらす生きた微生物」と定義しています。
摂取するうえでのポイントは、毎日継続摂取して補充し続けること。一度摂取したら腸内にずっと住み着くというものではないからです。
衣服
身体を冷やさないよう、屋外はもちろん室内にいても防寒対策をしましょう。
冬場は暖房器具を上手に使い、厚手の靴下やひざ掛け、ネックウォーマーなども活用します。
夏場には冷房による冷えも考えられるので、年間を通して衣服で防寒対策をしましょう。
まとめ
低体温は身体のさまざまな不調を引き起こします。
日頃から運動と食事内容を意識し、季節を問わず低体温対策に気を配りましょう。