睡眠はダイエットの味方!ぐっすり眠って「痩せモード」に

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ダイエットでは食事と運動が重要だと言われますが、痩せやすい身体づくりには、睡眠も関わっていることをご存知ですか?
バランスの良い食事と適度な運動を心がけているのに、なかなか成果が表れないときは、睡眠の質を高める工夫をしてみましょう。

ダイエットが上手くいかないのは睡眠不足が原因かも

若い頃に比べて、太りやすくなったと感じている30~40代の女性は多いでしょう。ダイエットに励んでも、なかなか痩せないのは、睡眠不足が原因かもしれません。
30~40代の女性は、仕事・家事・育児などで忙しく、睡眠時間が削られることもしばしば。実は、「睡眠時間が短いと肥満になりやすい」という研究報告が数多くあります。
健康な成人1,024名を対象としたある研究によれば、睡眠時間が7~8時間の人は肥満率が低く、それ以上でも以下でも、肥満率が高くなることが示されています。
では、睡眠時間が短くなると、どうして肥満になりやすいのでしょうか。

睡眠不足で太りやすくなる理由とは?

身体のリズムや機能は、ホルモンによって調節されていますが、睡眠時間と食欲に関するホルモンの関係が明らかにされています。
上記の研究では、睡眠時間が5時間の人は8時間の人に比べて、食欲を増進させる「グレリン」というホルモンが約15%増加し、食欲を抑制する「レプチン」というホルモンが約16%減少しました。
さらに、20代の男性12名を対象とした研究では、4時間睡眠で2晩過ごした後は、10時間睡眠で2晩過ごした後に比べて、食欲が増加しました。しかも、炭水化物や脂質が多く、高カロリーな食べ物を食べたくなる傾向がみられたそうです。
夜遅くまで起きていると、つい甘いものやスナック菓子に手が伸びてしまうのは、睡眠不足のせいかもしれません。

ダイエット中こそ十分な睡眠時間を確保しよう

睡眠は成長ホルモンの分泌とも関わっています。
成長ホルモンはその名の通り、子どもの成長を促すホルモンですが、大人でも分泌されており、骨や筋肉の合成を助け、脂質の代謝を促すなどの役割があります。
成長ホルモンは入眠直後に急増し、成人女性では1日に分泌される成長ホルモンの約5割が睡眠中に分泌されるとか。つまり、睡眠時間が不足すると成長ホルモンの分泌が減るため、脂質の代謝が低下し、太りやすくなると考えられます。
別の研究では、睡眠時間を短くすると、夜間のエネルギー消費量は増加するにもかかわらず、1日のエネルギー消費量は変わらないことが示されました。
寝るだけで痩せられるわけではありませんが、食欲をコントロールし、基礎代謝を落とさないために、睡眠時間はしっかり確保する必要があるでしょう。

睡眠の質をアップする鍵は「メラトニン」

成長ホルモンの分泌を増やすには、睡眠の質を高めることも重要です。特に寝入りの3時間、ぐっすり眠ることで成長ホルモンの分泌が促されます。その鍵を握るのが、「メラトニン」という睡眠ホルモンです。

メラトニンは朝に光を浴びてから14~16時間後に分泌されはじめ、体温を下げて身体を休息モードに導く作用があります。メラトニンは暗くなると増え、明るくなると減る性質があるため、就寝時間に合わせて部屋を暗くしていくと良いでしょう。

寝る直前までスマホやパソコンの画面を見ていると、メラトニンが減少して睡眠の質が低下します。朝はその反対で、部屋を明るくすることが大切です。

また、メラトニンの材料となる「トリプトファン」を十分に摂ることもポイント。トリプトファンは牛乳から発見された必須アミノ酸です。牛乳・乳製品を多く摂っている人では、ソフトドリンクをよく摂っている人に比べて、睡眠に関する問題が少ないことが報告されています。

まとめ

睡眠は成長ホルモンや食欲をコントロールするホルモンの分泌に関わっています。睡眠時間が短いと食欲が増し、代謝が低下するため、夜更かしはダイエットの敵!
朝起きたら光を浴びる、寝る前にスマホなどの画面を見ない、メラトニンの材料となるトリプトファンを摂るなどを意識して、睡眠の質を高めましょう。

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文責:上辻 知津子(うえつじ ちづこ)

文責:上辻 知津子(うえつじ ちづこ)

管理栄養士・食育インストラクター 2000年からライター・編集者としてメディア制作に従事。業務を通じて食と健康に興味を持ち、2017年に管理栄養士資格を取得。現在は人間栄養学に基づいた健康記事の執筆活動を中心に、健康相談業務にも携わる。

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