疲労回復に効く食べ物ランキング!疲れの原因別におすすめの理由も解説

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忙しい毎日の中で、知らず知らずのうちに蓄積されていく心身の疲労。疲れを癒すにはゆっくり休むのが一番ですが、元気が出る食べ物をとり入れるのも良い方法です。
この記事では、身体の疲れだけでなく、精神的な疲れや加齢による体力の低下など、疲れの原因に着目し、積極的に摂りたい栄養素や食材を紹介します。

疲労回復に甘い物はアリ?

仕事や家事で疲れたとき、甘い物が欲しくなる人は多いでしょう。糖分は身体にとって効率的なエネルギー源なので、エネルギーが不足しているときには有効です。
また、甘い物を食べると「β-エンドルフィン」という快感物質が分泌されるため、ストレスが軽減されたり、幸せな気分になったりすることもあります。

ただし、β-エンドルフィンは脳内麻薬とも呼ばれ、一度その快感を味わうとヤミツキになりやすいそうです。甘い物を食べ始めると止まらなくなるのは、β-エンドルフィンの仕業とも考えられますが、過剰な糖分は血糖値の乱高下を招き、かえって疲労感が増すといわれています。

疲労回復には栄養素のバランスが重要

糖分は身体にとって効率的なエネルギー源だと述べましたが、それを利用するにはビタミンB1が 不可欠です。体内にビタミンB1が十分にないと、糖をエネルギーに変換できず、脂肪として蓄えられます。

さらに、貯蔵エネルギーの脂肪やたんぱく質を利用するには、ビタミンB1のほか、ビタミンB2・B6・B12、ナイアシン、パントテン酸といったビタミンB群や亜鉛などのミネラルが必要です。これらの栄養素がひとつでも欠けると、エネルギー代謝が上手くいかず、疲れが取れにくくなってしまいます。

また、ひとくちに疲れといっても、肉体疲労もあれば精神疲労もあります。肉体疲労にはエネルギーのほか、たんぱく質や鉄の摂取も重要ですし、精神疲労にはビタミンCを補うと良いといわれます。

つまり、疲労回復にはバランスよく食べることが重要。そのうえで、身体の声に耳を傾け、疲れの原因に応じて効果的な栄養素を積極的に摂ると良いでしょう。

<原因別>疲労回復に効く食べ物ランキング8選

①総合的な疲れには「うなぎ」

うなぎは古くからスタミナ食材として親しまれています。その理由は、良質なたんぱく質や脂質を含み、エネルギー代謝に必要な栄養素が効率良く摂れるだけでなく、「ビタミンA」の優れた供給源だからです。
ビタミンAは、疲労によって蓄積される活性酸素を減らす働きがあります。さらに、粘膜や疲れ目にも良い効果があるため、ストレスで胃の粘膜が荒れている人や、パソコン作業などで目を酷使している人にもおすすめです。

②身体が重だるいときは「豚肉」と「にんにく」

日本人がよく食べる身近な食品の中で、特に「ビタミンB1」を多く含むのが豚肉です。ビタミンB1が不足すると、糖質をエネルギー源にできないため、疲れが取れにくくなります。
また、にんにくが疲労回復に良いといわれるのは、「アリシン」という物質を含み、これがビタミンB1の吸収率をアップさせるため。アリシンはにんにく特有の臭い物質で、ネギやニラにも含まれます。

③疲れやすい人は「緑黄色野菜」

緑黄色野菜とは、可食部100gあたり600μg以上の「カロテン」を含む野菜のこと。ほうれん草、にんじん、カボチャがその代表です。ちなみに、トマトとピーマンは600μgもないのですが、日常的に食べる量が多いので緑黄色野菜に分類されています。
カロテンは野菜の色素成分で、強い抗酸化作用があります。年齢を重ねると体内の活性酸素が増え、疲れやすくなるといわれるため、抗酸化成分を積極的に摂ることが大切です。

④貧血がある人は「レバー」「赤身肉」「青魚」

貧血も疲れやすくなる要因のひとつ。女性に多い貧血のほとんどは鉄欠乏性貧血なので、吸収されやすい動物性の「鉄」を補うことが重要です。
レバー、赤身肉、青魚には、鉄の他にもたんぱく質や代謝を促すビタミンB群が含まれるため、疲れにくい身体をつくるのに役立ちます。

⑤運動後の筋肉疲労には「牛乳」

運動後は筋肉の分解と合成が盛んに行われるため、できるだけ早く、筋肉の材料となるたんぱく質を補給すると良いそうです。
牛乳に含まれる「ホエイたんぱく質」は、消化吸収のスピードが速いのが特徴。また、汗をかくと水分と一緒にカルシウムも出ていってしまうので、運動後の牛乳はメリットが多いといえるでしょう。

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⑥精神的な疲れには「キウイフルーツ」

精神的なストレスが多いと「ビタミンC」の必要量が増えることが知られています。
ビタミンCは多くの野菜や果物に含まれますが、野菜に含まれるビタミンCは調理による損失が大きいため、生で食べられる果物から摂るのが効率的。キウイフルーツは季節を問わず、手頃な価格で出回っているのでおすすめです。

⑦食欲がないときは「梅干し」や「レモン」

疲れて食欲がなくても、何か食べないことには元気が出ません。そんなときは、梅干し、レモンなどの柑橘類に含まれる「クエン酸」の出番です。
クエン酸は爽やかな酸味で食欲を刺激してくれるほか、エネルギー産生を助けて疲労回復を促す作用があるとされています。

⑧睡眠不足で疲れが取れないときは「ヨーグルト」

忙しくて十分な睡眠時間を確保できない人は、睡眠の質を高めるために腸活をしてはいかがでしょうか。脳腸相関といって、脳と腸は互いに影響を及ぼし合うことが知られており、腸の状態が良くなれば、睡眠を司る脳にも良い影響があると考えられます。
ヨーグルトは夜に食べると腸活効果が高いといわれますが、睡眠のリズムを整えるなら、朝食べるのがおすすめ。ヨーグルトに含まれる「トリプトファン」は、15~16時間後に睡眠ホルモンのメラトニンに変わり、眠気を誘うとされています。

まとめ

疲労回復に良いとされる食べ物は色々ありますが、これだけ食べていればOKというものはありません。
日頃からバランスよく食べることを心掛けながら、疲れを感じたときはその原因を見極め、効果的な食べ物をとりいれましょう。

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文責:上辻 知津子(うえつじ ちづこ)

文責:上辻 知津子(うえつじ ちづこ)

管理栄養士・食育インストラクター 2000年からライター・編集者としてメディア制作に従事。業務を通じて食と健康に興味を持ち、2017年に管理栄養士資格を取得。現在は人間栄養学に基づいた健康記事の執筆活動を中心に、健康相談業務にも携わる。

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