カルシウム不足が原因?イライラを抑える食生活のヒント

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「イライラするのはカルシウムが足りないせいだ」といわれることがあります。では、カルシウムをしっかり摂れば、イライラしないのでしょうか。
身体だけでなく、心の健康にもかかわる栄養素や食品について解説します。

イライラすると身体はカルシウムを欲するもの?

ストレスなどでイライラしたとき、無性に甘い物を食べたくなる人は多いでしょう。特に生クリームたっぷりのケーキやチョコレートのような、カロリーの高い洋菓子に手が伸びたりしませんか?
そんなとき、身体が欲しているのはカルシウムではなく、糖分や脂肪分です。

イライラしやすいのはストレスがたまっている証拠ですが、ストレスが増えると脳が疲れるため、通常よりも多くのエネルギーが必要になります。糖分や脂肪分は大切なエネルギー源なので、食べると幸せを感じるように脳ができているのです。
では、イライラとカルシウム不足は関係がないのでしょうか。

「イライラ=カルシウム不足」は間違い

現代人の食生活はカルシウムが不足しやすいと言われますが、血中のカルシウムはそう簡単に不足するものではありません。

体内のカルシウムは99%が骨と歯に蓄えられており、残りの1%が血液や組織に存在します。カルシウムには脳や神経の興奮を鎮める働きがあり、組織中のカルシウムが不足すると心臓の筋肉も上手く動かせなくなるので、血中のカルシウムが減ってきたら骨に蓄えてあるカルシウムを溶かして補うのです。

つまり、私たちの身体には血中カルシウム濃度が常に一定に保たれる仕組みがあるため、カルシウムの摂取量が少ないからといって、すぐにイライラするわけではありません。

イライラしやすい人は食生活を見直そう

イライラの原因はカルシウム不足ではありませんが、骨の健康のためにカルシウムをしっかり摂ることは重要です。カルシウムの摂取量が少ない人では、骨粗しょう症のリスクが高まります。骨からカルシウムが溶け出していかないように、乳製品、小魚、大豆食品などを積極的に食べましょう。

また、カルシウムの吸収率を高めるために、ビタミンDを一緒に摂ると効果的です。ビタミンDは魚や干したきのこに多く含まれています。特に青魚にはオメガ3(n-3系)脂肪酸が多く含まれており、これが脳の機能に重要な役割を果たすことも分かっています。

さらに、イライラを抑えるにはセロトニンという物質がポイントだといわれています。セロトニンはたんぱく質に含まれるトリプトファンから合成され、精神を安定させる働きがあります。トリプトファンは牛乳から発見された必須アミノ酸で、牛乳や乳製品を多く摂っている人は、睡眠の質や健康感が高く、抑うつ傾向が低いという報告があります。

まとめ

カルシウムには脳の興奮を抑える働きがありますが、イライラとは直接関係しません。
また、甘い物を食べると幸福感が得られますが、一度にたくさんの糖質を摂ると血糖値の乱高下を招き、余計にイライラするともいわれます。

些細なことでイライラしないためには、トリプトファンを含む良質なたんぱく質を摂ることが大切です。
食べたものは身体だけでなく心にも影響します。
いつも穏やかな気持ちでいられるように、毎日の食事を見直してみましょう。

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文責:上辻知津子(うえつじ ちづこ)

文責:上辻知津子(うえつじ ちづこ)

管理栄養士・食育インストラクター 2000年からライター・編集者としてメディア制作に従事。業務を通じて食と健康に興味を持ち、2017年に管理栄養士資格を取得。現在は人間栄養学に基づいた健康記事の執筆活動を中心に、健康相談業務にも携わる。

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