生理中に貧血にならないためにおすすめの食べ物

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いつも通り過ごしていても、なんだか身体がだるかったり、立ちくらみを感じたら、貧血の兆候かも。特に生理中は要注意です。生理による出血で貧血がさらに悪化してしまい、頭痛など日常生活に支障をきたす症状が出る可能性があります。

そうでなくても生理中はホルモンバランスの変化で体調や精神が不安定になりがち。生理中をできるだけ普段通りに過ごすために、いつもの食生活を見直してみませんか?

鉄欠乏性貧血とは?

そもそも貧血とは赤血球やヘモグロビン(血色素)の量が正常より少なくなった状態です。ヘモグロビンの量が減ると酸素を全身に運ぶ能力が低下するため、全身のあらゆる組織が酸素不足に陥り、頭痛やめまいなど様々な症状が出ます。鉄は、ヘモグロビンの材料となる成分であり、鉄が不足するとヘモグロビンの低下を引き起こす原因となります。
鉄欠乏性貧血は女性なら年齢にかかわらず注意が必要です。

まず、生理の出血が原因でいつも以上に鉄分が失われることで、生理の前後に貧血に陥りやすくなります。
さらに思春期では、成長により血液量が増加し、鉄の需要も増加して貧血になることがあります。

また、妊娠・授乳中は胎児の成長や母乳を出すためにより多くの鉄分を必要とするため、鉄分が不足しがちです。
偏食や無理なダイエットのほか、インスタント食品の多い食事などが鉄分不足の原因になることも。
貧血を予防するためには、鉄分を多く含む食品を毎日の食事に取り入れるようにしましょう。

鉄分を多く含む食べ物

食品に含まれる鉄分には、吸収率の良いもの(「ヘム鉄」といい、肉類や魚介類に多く含まれます)とあまり良くないもの(「非ヘム鉄」といい、大豆製品や野菜に多く含まれます)があります。

おすすめの食べ方は野菜と一緒に肉などの動物性たんぱく質を摂ることです。吸収率のあまり良くない非ヘム鉄も、動物性たんぱく質やビタミンCと一緒に食べると吸収率が高まるといわれています。

特に「レバー」は貧血予防には頼もしい味方です。ヘム鉄のほか、正常な赤血球をつくるのに必要な葉酸やビタミンB12も含まれています。ビタミンAの過剰摂取を避けるため毎日食べることはおすすめしませんが、定期的に献立に加えておきたい食材です。

他に「黒ごま」は、鉄分やカルシウムの他、ビタミンも豊富で和食によく合う食材なので、普段からご飯にかけたり、副菜に振りかけることを習慣にすれば無理なく摂ることができます。硬い殻で覆われているため、いりごまより、すりごまが食べやすく、栄養分を吸収しやすくなります。

造血効果が期待できる食べ物

「アスパラガス」や「枝豆」などに多く含まれる葉酸は、赤血球を増やすためにも有効です。
「卵」は万能食品と言われ、ビタミンA・Dなどのビタミン、カリウムや亜鉛などのミネラルなど、多くの栄養分が含まれています。鉄分やビタミンB12など血液を増やす効果が期待できる成分も含まれている他、たんぱく質も豊富です。

たんぱく質は、赤血球やヘモグロビンの材料となる大切な栄養素です。魚介類、肉類、卵、大豆製品、乳製品などに多く含まれます。
たんぱく質は一度にたくさんとっても身体の中に貯めておくことはできません。女性なら毎日50gの摂取をめざしましょう。

チーズや牛乳など乳製品は、手軽にたんぱく質を摂ることができるほか、不足しがちなカルシウム補給にもなります。

また、牛乳に含まれるカゼインの分解物であるCPP(カゼインホスホペプチド)は、鉄分などのミネラルの吸収を高める効果があるといわれていますので、ぜひ食生活に取り入れてみてください。

注意したほうが良い食べ物

「豆乳」にはイソフラボンと呼ばれる女性ホルモンと同じような働きをする成分が含まれています。イソフラボンは肌ツヤが良くなるなど良いイメージがありますが、中には過剰に豆乳を飲むことによって生理不順になったり、出血量が増える人もいるようです。
出血量が増えると貧血になりやすくなるため、豆乳を飲んで出血量が増えた経験のある人は、控えるようにしたほうがよいでしょう。

また、緑茶、コーヒー、紅茶に含まれるタンニンは、鉄の吸収を妨げます。鉄分不足が気になる場合は、食事中や食後にお茶やコーヒーを飲むのは控えましょう。

鉄欠乏性貧血の原因として、別の病気が潜んでいることがあります。また、貧血による頭痛やめまいといった症状があるときには、食事療法だけではすぐに回復することが困難な場合もあるでしょう。
たかが貧血と軽くみないで、食事療法を長く続けても改善しない場合は、受診することも必要です。

貧血にならないためには、栄養バランスのよい食事をとることが基本。時には手軽な鉄分入りの食品やサプリメントなどを活用しながら、根気よく続けてみましょう。

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文責:良友 杏(よしとも あん)

文責:良友 杏(よしとも あん)

薬剤師。 薬局勤務などを経て、現在は子育てをしながら、健康や美容に関する記事の執筆を中心に活動。多くの情報が溢れる中、読者が古い情報や偏った情報に不安にならないよう、常日頃からメディアなどにアンテナを張って、自分の知識の更新に努めている。

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